「ローマ人の物語 38~40」 塩野七海 新潮文庫2011/06/12 21:15

コンスタンティヌスによるキリスト教の公認とその死、内乱、皇帝の乱立、分割統治といった具合に坂を転がり落ちていく状態の古代ローマの姿を描いています。最終的にはキリスト教の国教化、東西ローマ帝国の分裂までがこの巻の範囲です。本当に末期ですね。

集団や国家の栄枯盛衰は世の常だということを考えれば、必ずしもローマ帝国が継続することがよしとは思わないものの、よき文化、文明が一気に滅んでしまったような気持ちになります。その大きな一因がキリスト教なんでしょうが、蛮族の文明化にも一役買っていたのではないかと思うと、単純に非難もしづらい。ルネッサンスという大きなジャンプを得るまでに、かなりの長期間、ヨーロッパはしゃがみこまなければならなかったのだなぁ、と思います。

いよいよ文庫版も終盤を迎えそうです。楽しみですね。

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