「破線のマリス」 野沢尚 講談社文庫2006/10/02 23:00

ニュース映像の過激な編集を売りにしている遠藤瑤子は、役人からの内部告発ビデオを受け取る。事の成り行きに疑惑を持ちながらも、ビデオの内容に魅かれた瑤子は自らの解釈でつないだ映像を電波に乗せた。その瞬間から、瑤子の疑心に満ちた地獄が始まる。

思い出した頃に本屋で乱歩賞作を見つけてしまったので、つい買ってしまいました。第43回(1997年)の受賞作です。

乱歩賞は新人ミステリ作家の賞だと思うのですが、作者は受賞時点で既に実績ある脚本家なわけで、ある意味反則ですね。お話としてはきちんとまとまっています。プロの仕事ですね。

ただ、感想としては、どうにもちょっと煮え切らない感じが残ります。カバーのアオリ文にある『超一級の「フー&ホワイダニット」』とやらには(多分)途中で気付いたのでやられた感もなく、かといって達成感もなく、という感じです。文章もとくに感じるところはなく、2時間ドラマ見たなー、って感じです。

一点だけ書くとすれば、ニュース番組の編集を意図的に、ってのがどうにも不愉快で始終引っかかりっぱなしでした。最近とみに放送局のニュースの伝え方が癇に障っているだけに本筋とは関係ないところで突っ込んでました。テレビの脚本家が書いているのだから、実際こういう空気なんでしょうか。現場は。

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