「非常線」 松浪和夫 講談社文庫 ― 2006/09/19 22:42
麻薬捜査を担当する刑事金谷は目前で同僚鹿島を殺され、同時に犯人に昏倒させられる。同僚殺しの容疑をかけられた金谷は取調室から逃亡し、同僚の仇を討って自らの汚名をそそぐことを心に誓う。金谷は幾多の非常線をかいくぐり、犯人に肉薄することは出来るのか?
行きつけの書店のお勧めコーナーに置いてあったので、手にとってみました。残念ながら私にとっては満足いく作品ではありませんでした。まず、書きたいことがそのまんま書いてある感じです。すごく説明的。なにかのレポートみたいな感じですね。
次に台詞回しが陳腐。警察署から脱走するために酔っ払い弁護士を人質にエレベータに乗るシーンで、弁護士に車のキーを持ってないか尋ねます。弁護士がない、と言うと、
「飲酒運転で逮捕されたら、飯の食い上げになるからだろう」
緊迫した状況でこんなこと言わないと思うんですが。
あと、金谷を追う刑事新山が金谷の無実を信じる理由として、尋問した時の目を見て感じただの、目が澄んでいただのと何度も口にするのがしょぼい感じです。こういう台詞は最後に1回使えば十分だと思うんですが。
他にもいろいろあるんですが、一番ありえないと思ったのは冬の海を服を着たまま800mも泳ぎきる、という部分です。ましてやずぶぬれのまま職質も受けずに非常線を抜ける、というのはちょっと考えられないですね。
文句ばっかりなんですが、ちょっとこの作品は私にとって楽しめるポイントはありませんでした。
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