「三屋清左衛門残日録」 藤沢周平2005/05/25 23:54

用人を勤め上げ、隠居願いをだして家督を息子に譲った三屋は、突然訪れた空虚な気持ちに整理をつけると、日々の事柄を「残日録」と名づけた日記につけることにした。

人気の藤沢周平です。10年ほど昔、人に勧められて、というか本そのものをプレゼントしてもらって初めて読みました。この1年ほどそんなことを思い出して、ぽつぽつと読み始めています。当時も、独特の世界を感じ、面白いと思いましたが、多分、今のほうが楽しめているような気がします。

藤沢作品は、まったり流れにまかせて読むのに適した本だと思います。もっとも、それほど多く読んでいるわけではないので、私の読んだ範囲ではそんな気がしました。穏やかな休日にゆったりと読書をするならこれかなぁ。

「残日録」ですが、藩のトップを経験した武士が、それまでの自分の世界であるところの藩政から一定の距離を置き、自らの老いを見つめ、日々の事件や若き日の思い出に整理を付けていくわけですが、キャリアとは、老いとは、と考えさせられるところがありました。

文章による絶妙の呼吸、間が、独特の空気、というか世界を感じさせます。おじさんはこういうのにはまるよなぁ。多分。

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