「白銀を踏み荒らせ」 雫井脩介2005/05/21 11:19

柔道界のドーピング事件に関係し傷心の旅に出た篠子は親友の深紅からの紹介で兄の死を克服できないでいる日本アルペンチームのエース石野マークのメンタルコーチとなった。そんな中、篠子の周囲で発生する不可解な事件が発生する。やがて連続する事件と一年前の不可解な兄の死の裏に秘密結社の影が・・・

小難しいこと考えずにエンターテインメントとして読めば面白い作品だと思います。陰謀、冒険、謎解きという要素がつまっていて、軽い文体、会話でさくさく読み進めます。

ですが、私自身は、この本はノリきれませんでした。私はどうしてもつまんないところに引っかかってしまうからかもしれません。例えば、好みが分かれるところだと思いますが、篠子と深紅の会話、内省の軽さがちょっと我慢できませんでした。ありがちな会話なんでしょうが、わざわざ活字にされると萎えます。

秘密結社の描写がちょっと陳腐。ときどき、映画やドラマを見ていて背景が明らかに書割、とわかってがっかりすることがありますが、そんな感じを受けました。

あと、私としてはラストもあまりしっくり来る感じではありませんでした。雫井作品は、「虚貌」、「火の粉」を読みましたが、どうも私の評価は安定しません。その辺の感想はまた書くことにします。

以下、ちょっとネタばれかも。

ワールドカップで転戦しているチームに帯同しているサービスマンって、ワックスの違いってわからないもんなんでしょうか?プロ用途のワックスってのはめちゃめちゃ微妙、ってことでしょうか?

ラストがしっくりこない理由は、結局、誰が悪者なんだっけ?って感じになるところでしょうか。 そういうのがあいまい、というか釈然としないような話にしたいなら、それにふさわしいラストもあると思うんですが、石野ケビンの死に蓋をして、明るく終了~ と感じてしまって私としてはなんともすわりが悪いです。

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