はじめます ― 2005/05/14 00:08
見切り発車ですが始めてみます。
まずはこちらもβで始めると言うことで。
数年前、勤務先の異動に伴って電車通勤となったのを機によく本を読むようになりました。買った文庫本がどんどんたまって、まとめて売り飛ばしたりもするんですが、せっかくだから読んだ内容や感じたことを書き残しておくのもどうかとおもったのが始めた動機です。
読書が趣味、というのは無趣味の極み、とも言われますが、それ以外の話題についてもぽつぽつと書いていきたいと思います。
「動機」 横山秀夫 ― 2005/05/15 00:25
「動機」:警察手帳の一斉盗難が発生。手帳の一括管理を提案した警視が窮地に立たされ、犯人探しをする。
警務課、というこれまでのミステリではあまり主役として扱われないような部署の警視が主人公。最後の解決の部分がちょっとどうかと思うところもありますが、全体に渋めな調子が非常に好みに合いました。
「逆転の夏」:殺人の罪で服役後、仮出獄した主人公に、殺人依頼の電話が来る。保護司の口利きで勤め始めた職場での立場も悪くなり始め、追い詰められていく。だれが何をたくらんでいるのか?
仮出獄、保護司、刑罰とは、ということについて考えさせられる短編。追い詰められダメになっていく主人公の様子に引き込まれてしまいました。犯罪者、被害者、家族、刑といったことに関して考えさせられます。偶然、1週間ほど前に手にした「13階段」もよく似た構図を持っていますが、こちらについての感想はまた後日。
全体に渋めの調子、無理のない展開、話へ引き込んでいく筆力というのを感じます。近いうちに「陰の季節」を手にしてみようと思います。はやく「半落ち」が文庫になってくれると良いのですが。
「13階段」 高野和明 ― 2005/05/16 23:18
傷害致死で2年服役し仮釈放を迎えた三上は、刑務官の南郷に誘われ、とある死刑囚の無実を証明する調査を開始した。死刑判決はゆるぎないものだったが、その死刑囚にはある特殊な事情があった。
この小説で、応報刑論、目的刑論といった刑罰に対する考え方の違いについて初めて知りました。所詮はお話なのでその辺は割り引いて考えるとしても、事情によっては刑の適用が正しいのかどうかよくわからないケースはありうるだろうな、と感じました。
肝心の話の中身ですが、テーマはかなり重い反面、話自体はそれほど暗い色調ではなかったと感じました。主人公三上の淡々とした態度と南郷の軽妙な語り口がそういう雰囲気にしているのかもしれません。読者をぐいぐい引っ張るような強引さはなく、ごく自然に読み進められました。
「白銀を踏み荒らせ」 雫井脩介 ― 2005/05/21 11:19
柔道界のドーピング事件に関係し傷心の旅に出た篠子は親友の深紅からの紹介で兄の死を克服できないでいる日本アルペンチームのエース石野マークのメンタルコーチとなった。そんな中、篠子の周囲で発生する不可解な事件が発生する。やがて連続する事件と一年前の不可解な兄の死の裏に秘密結社の影が・・・
小難しいこと考えずにエンターテインメントとして読めば面白い作品だと思います。陰謀、冒険、謎解きという要素がつまっていて、軽い文体、会話でさくさく読み進めます。
ですが、私自身は、この本はノリきれませんでした。私はどうしてもつまんないところに引っかかってしまうからかもしれません。例えば、好みが分かれるところだと思いますが、篠子と深紅の会話、内省の軽さがちょっと我慢できませんでした。ありがちな会話なんでしょうが、わざわざ活字にされると萎えます。
秘密結社の描写がちょっと陳腐。ときどき、映画やドラマを見ていて背景が明らかに書割、とわかってがっかりすることがありますが、そんな感じを受けました。
あと、私としてはラストもあまりしっくり来る感じではありませんでした。雫井作品は、「虚貌」、「火の粉」を読みましたが、どうも私の評価は安定しません。その辺の感想はまた書くことにします。
以下、ちょっとネタばれかも。
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