「オーデュボンの祈り」 伊坂幸太郎 新潮文庫 ― 2005/08/24 23:44
コンビニ強盗の真似事をして警察につかまった僕は、パトカーが事故を起こしたドサクサで、通りかかった見知らぬ男に連れられ不思議な島へ逃げた。100年以上外界から完全に遮断されながら、完全に時代遅れというわけでもないこの島には、しゃべる案山子がいた。
あまり見かけないタイプの小説だと思いました。不条理な設定の中で事件が起こり、不条理な世界なりの解決をみる、といったミステリ仕立ての内容です。こういう方向性に新たな可能性を感じる人もいるかもしれません。
が、私にとっては、ミステリだと思って読むと、気になって仕方ないのが、島の生活。経済原理は、社会インフラは、教育は、と引っかかることしきりです。そういうのを吹っ切って、不条理な寓話のように読むと、まっとうに殺人を推理しようとする主人公や、やたらと低俗で残虐な主人公の幼なじみが出てきて、現実的なミステリやサスペンス側に引っ張られます。
全体に不条理な独特の世界観は出ているのですが、意識してそうなっているのか、単なるヘタウマなのか、文学力のない私にはちょっと判断が付きませんでした。とりあえず、別の伊坂作品を読んでみる必要がありそうです。今回は判断保留ということで。
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