「ストロベリーナイト」 誉田哲也 光文社文庫 ― 2009/04/11 23:46
女性かつノンキャリアとして異例のスピードで警部補となった姫川は溜め池近くで発見された惨殺死体の捜査に当たる。物証に乏しく行き詰る中、姫川のひらめきで第2の死体が発見され、事件はさらに陰惨な色彩を見せる。
帯によると、警察小説というジャンルのようです。うーん。そうかな。ともあれ、刑事も周辺の人物もキャラクターが立っていてなかなか面白いです。こういうちょっと極端なキャラクターが多い所やセリフ回しがちょっと漫画っぽいな、という印象です。
作中で公安出身のライバル勝俣が姫川に対して思います。「…分からねぇ。もっとイジケろって。」 結構暗い過去をもっている割には明るく自信満々の姫川のアンバランスさをさして言っているんですが、この作品全体がそんな感じがしました。事件はものすごく陰惨で残虐。動機や背景を含めると相当に重いんですが、話全体のタッチは軽いですね。
なんというか、無理に刺激を強めて読者の目を引こうとしているような雰囲気があってちょっと好きになれないタイプの作品ですね。そういう刺激に必然性やメッセージがあればともかく、そういうのは感じなかったです。
「向日葵の咲かない夏」 道尾秀介 新潮文庫 ― 2009/04/25 22:15
あすから夏休みというその日、僕は自殺したS君を発見した。急いで学校へ戻り先生にそのことを伝え警察が現場へ向かったがS君の死体は消えていた。僕は困惑しながらも妹のミカ、近所に住むトコお婆さん、そして当の本人のS君と真相を調べ始める。
「2009年版このミステリーがすごい!」作家別投票第一位だそうです。まだ若いようですが、すごいですね。で、作品ですが、最初読み進むにつれ、あまり好きになれないタイプの話だなぁ、という印象を持ちました。どこまで読んでもモヤモヤが残ってました。
例の如く、いろいろなところで引っ掛かりまくっていたのですが、最終盤まで読んでその理由が理解できました。それでもなんかすっきりしなくて気持ちが悪かったのですが、きちんと考えながら再読したらこの作品、ちゃんとしてるんです。読み手としての私の姿勢か、単純な趣味の問題です。
エキサイティングで楽しくて、というところはないですが、確かにすごい作品だと思いました。たぶん、好き嫌いは別れると思います。あまり私の好きなタイプではないですが、ちゃんとした作品であることは認めざるを得ない、そんな感じでした。ところで、ミチオ君は道尾君なんでしょうか?
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