「破弾」 堂場瞬一 中公文庫2008/11/01 23:46

新潟県警を辞めた鳴沢は、しかし刑事にしかなれなかった。警視庁多摩署の刑事となった鳴沢はホームレス襲撃事件の担当となる。加害者どころか被害者までも現場から姿を消している不可解な事件を美しいが凶暴な女刑事小野寺とともに調べ始める。捜査は難航するが、やがて被害者の周囲に左翼の影がちらつき始める。

雪虫につづいて鳴沢了のシリーズです。事件そのものは凄く地味です。前の作品もそうでしたが、解決に至るまでの見方によってはまだるっこしい捜査の過程や鳴沢の心の動きを読ませる内容ですね。ハードボイルド、というのともまた違う感じですがそんなに嫌いじゃありません。

前回ひたすら青臭かった鳴沢のセリフは大きな挫折を経た後に、同僚達に疎外され続けた気の抜け方が良く出ていると思います。多少気取った物言い、青臭さは残りますが。前作で少し気になった青臭さすぎるセリフ回しは意識的だったみたいです。失礼しました。

ただ、この話、平べったくしてしまうと、同僚に疎外され続けた2人がしょーもない事件で組まされて一向に捜査が進展しない欲求不満の中、ひょんな拍子に… という感じでしょうか。ちょっとここら辺の展開がベタですねぇ。また、相棒の小野寺が絵に描いたようなツンデレです。こういうのが男子永遠の理想なんでしょうか。