「推理小説」 秦建日子 河出文庫 ― 2007/02/13 23:09
勤め帰りのサラリーマン、家路を急ぐ女子高生が同時に殺される。関連性の見えない連続殺人を追う雪平と安藤をよそに第三の殺人が起き、殺人をなぞった小説の一部が警察、報道機関に届く。そして犯人は以降の殺人の中止と小説の続きを最低落札価格三千万円でオークションにかける。前代未聞の犯行に出版社、報道機関、警察はどう対処するのか。
昨年(2006)、「アンフェア」としてテレビドラマ放映された作品の原作です。ドラマの方はわけわからん陰謀ものになって行きましたが、この夏、続編が映画化されるようです。うーん。ある意味スゴイな。
作中に出てきたノックスの十戒とヴァン・ダインの二十則は知らなかったので調べました。勉強になりました。ご馳走様でした。なんというか、カビ臭い感じのルールですね。今度オレのxx則とか考えてみよう。
で、作中、リアリティがどうとか、オリジナリティがとか、どんでん返しがとか出てきますが、私は別にそういうの求めないですね。面白さとそんなに関係ないと思います。逆にどんなにリアリティがあっても、描写や説明に納得性がないものは受け入れられないです。それが、リアリティがない、ということなのかもしれませんが。
本作自体は別にアンフェアでもリアリティがないわけでもオリジナリティがないわけでもないと思います。ミステリたらんとしているのか、していないのか良く分かりませんが、単に私にとってはそれほど面白くなかった。いろいろ仕掛けはあるようですが、味がない、奥行きがないと思いました。
「アンフェアなのは、誰か」 もちろん、私でしょう。結末知ってて読んだ上で面白くない、とか言ってんですから。アンフェア極まりない。
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