ちょいxxオヤジ2005/12/09 00:12

ここ最近、ちょい悪オヤジとか、ちょいモテオヤジなるスタイルが流行っているようです。流行らせよう、という一部メディアの意識が働いているだけかも知れませんが。

で、来年は、

  • 外を出歩くときに寝癖がついたまま
  • コートがよれよれでボタンが取れている
  • ズボンのチャックが上から1/3くらい開いている
  • ワイシャツのポケットが携帯やら社員証やらでふくらんでいる
という感じの「ちょいダメオヤジ」がくるのではとふんでます。もっとも、あまり当てはまる項目が多いとただのダメオヤジですね。

「ローマ人の物語14~16」 塩野七生 新潮文庫2005/12/13 00:13

この巻はカエサル後のローマ世界を、初代皇帝であるアウグストゥスがどのように固めていったか、が主題です。めくるめく映画のようなカエサルの巻に対して非常に地味な感じは否めません。しかしながら、共和政主義の元老院の目をなんとなく欺きながら事実上の帝政へゆっくり慎重に進めていく様子はなかなか興味深いですね。

時代の変わり目には必ずエキセントリックな、というか突出した才能を持った人間が出てきます。カエサルしかり、日本で言えば、源義経、織田信長、坂本竜馬といったところでしょうか。こういう人たちはゲームのボードをひっくり返してルールを変えてしまうところまではできるんですが、たいてい抵抗勢力に殺されてしまうようです。

「読者に」の章の最後の一文が、この巻の全体を如実に説明しています。
天才の後を継いだ天才でない人物が、どうやって、天才の到達できなかった目標に達せたのか。それを、これから物語ってみたい。

今は時代の変わり目でしょうか、いろいろエキセントリックな才能が出てきているように思います。ホリエモンしかり、楽天の三木谷社長しかり。殺される、という極端なことはないにしても、実は、知らないうちにのらりくらりとやってる天才でない誰かが天下を取ってしまうのかもしれませんね。

「氷壁」 井上靖 新潮文庫2005/12/24 16:14

登山家魚津は、人妻美那子への恋を引きずったザイルパートナー小坂を冬の前穂での事故で失う。魚津の目の前で突然起きたザイルの断裂は、メーカーを巻き込み魚津の立場を複雑なものにしていく。人間関係のしがらみに振り回され孤独を深める魚津に思いを寄せる小坂の妹かおる。愛憎と登山への思いの果て、魚津はどのような選択をするのか?

正月からNHKでドラマ放映のようで平積みになっていたので手にしてみました。ドラマ自体はずいぶん原作とは筋が違うようなのですが、原作は昭和30年頃が舞台のようなので、確かにそのままドラマにするのは難しそうですね。

登山のシーンは面白いですね。私は実際に山に登るわけではないのでリアリティについてはよくわかりませんが、生死の可能性を冷静に見つめた上で行動を積み重ねていく緊迫感がなんともいえません。その分、地上でのドロドロした愛憎劇がどうにもやりきれない感じではあります。徹底的にドロドロしてればともかく、なんだか煮え切らない感じなのもどうかな、という気がします。そこが狙いなのかも知れませんが。

交通機関の感覚が今とは違ったりして、内容には何かと時代を感じますが、文章自体が古いという気はしませんでした。登場人物はそれほど多くないですが、それぞれがしっかりと存在感を持って描かれていて、読み応えがありました。

ちょっと気になるのは、魚津が、死んだザイルパートナーの妹かおると山に登るシーンがあります。山小屋や案内人の皆さんは比較的暖かく彼女を迎えるのですが、一昔前は山へ女性が入るのはあまり歓迎されない傾向があったと聞きます。山ノ神ってやつですね。この時代の穂高はそういう風潮はなかったのでしょうか?

あと、素朴な疑問として、戦争と登山の関係です。魚津の年齢と舞台となっている時代から逆算すると魚津の大学生時代というのは終戦前後かな、という感じです。そういう時期の学生登山がどうだったのか興味があります。

ともあれ、山に女を持ち込むとろくなことにならんぞ、ということでしょうか。